入札制度についての質問と答弁

6月29日に行われた一般質問の内容を掲載してきましたが今回で最終です。24人が登壇し200以上の項目の質問がありました入札制度については誰ともかぶりませんでした。

君津市議のころから質問を見てくれている人にとっては、「県議になっても変わらずやってるね」「須永さんらしいね」という感じでしょうが、県議会では珍しいようです。

・一般競争入札の拡大、指名競争入札の縮小をすべき

・入札事務を専門部署で一元化すべき

・総合評価方式の地域特有貢献の有無について、配点を複数点にすべき

という大きく3点について質問をしました。どれもあまり前向きな答弁は得られませんでしたが、特に指名競争入札の縮小については実現するまで何度でも質問をしていくつもりです。

よろしければ質問動画もご覧ください。

千葉県議会 本会議録画中継 (chiba.lg.jp)

以下に入札制度の改善についての質問と答弁、全文を掲載します。読みやすいように一問一答形式に編集してありますので正式な議事録ではありません。

須永

君津市選出の須永和良でございます。
通告に従い質問をさせていただきます。早速質問に入ります。
まず、入札制度について伺います。

地方公共団体における調達は、その財源が税金によって賄われるものであるため、より良いもの、より安いものを調達しなければなりません。そのため、地方公共団体の調達について定める地方自治法では、最も競争性、透明性、経済性等に優れた一般競争入札を原則としています。

国土交通省の公共工事の入札契約方式の適用に関するガイドラインにも、競争参加者の設定方法にあたっては、原則として一般競争入札を選択するとあります。しかしながら、本県の入札においては、予定価格5000万円以上が一般競争入札、5000万円未満が指名競争入札となっていて、指名競争入札の範囲を広くとっています。

埼玉県では1000万円未満、神奈川県では250万円未満です。栃木茨城、群馬、山梨なども、千葉県より指名競争入札の範囲を縮小しています。
千葉県の指名競争入札には、私の地元企業からも苦情が来ています。例えば、令和4年度の君津土木事務所発注の土木工事一式を見ると、約50件ありますが、そのほとんどが同じ10数社で指名されています。

指名12社が全く同じという入札も1件2件ではありません。
つまり、指名されているのは、地元企業ではなく、地元の一部の企業です。これが実態です。このような実態だからこそ、県の指名競争入札を何とかしてくれという苦情が私のところにも上がってくるのです。

5000万円以上が一般競争入札、5000万円未満が指名競争入札というのは、全国でもごく少数であり、地方自治法の原則に従い、一般競争入札を適用する金額を見直し、一般競争入札を拡大すべきだと考えますが、見解を伺います。

また、事業担当部局は事業者とのやり取りをする機会も多いと推察できます。
普段からの良好なコミュニケーションをとることは、災害時の対応や緊急時の対応のときに活かされると思います。しかしながら、事業者から不当な要求があった場合に断りきれず、結果として、官製談合に繋がった事件が過去にも数多くありました。

全国知事会がまとめた都道府県の公共調達に関する指針によれば、入札事務を事業担当部局から切り離し、独立性の確保された専門組織において行うことが、業者との癒着を防ぐ効果的な対策であると考えています。
埼玉県の総務部入札課や、宮城県の出納局契約課のように、不正防止のために公共工事等の入札を専門部署で一元化して行うべきと考えますが見解を伺います。

千葉県では一般競争入札に総合評価落札方式を用いています。総合評価落札方式では、企業の技術力の他に、企業の信頼性、社会性も評価対象となっており、その中に地域貢献度という項目があります。この地域貢献度という項目の中に、地域特有貢献の有無という細目があり、ボランティア実績、高齢者雇用、女性雇用、障害者雇用と区分されています。

この地域特有貢献の有無という細目の配点は1点しかありません。女性雇用実績、高齢者雇用実績、障害者雇用実績、ボランティア実績等を全て満たしたとしても、点数が足し算されず、最大でも1点止まりです。これでは障害者雇用や女性雇用は進みません。

障害者雇用や男女共同参画を推進する千葉県として、建設工事における総合評価方式の評価項目について、地域特有貢献の有無の配点を見直すべきだと考えますが見解を伺います。

答弁

入札制度についてのご質問にお答えします。
初めに、一般競争入札の拡大についてのご質問ですが、公共工事の入札制度は、競争性、透明性、公平性を担保するとともに、施工能力が劣る不良不適格業者の排除に加えて、競争力に勝る業者の受注の偏りを排除するなど、地域の安全安心の担い手としての役割を果たす県内中小企業の育成にも配慮する必要があります。

このため県では、公共工事の品質確保や、受発注者双方の事務負担の軽減なども総合的に勘案した結果、5000万円以上の工事は、総合評価方式による一般競争入札を採用し、5000万円未満は指名競争入札としております。
今後とも、一般競争入札を適用する基準については、これらの観点を総合的に勘案し、適切に判断していく必要があると考えています。

次に入札を行う部署についてのご質問ですが、入札関係事務については、事業や契約の内容が多岐にわたっており、現場に精通した所属で、設計積算、入札契約の一連の事務が完結することで、より円滑な事務処理を行うことができることから一定金額以上の建設工事を除き、各所属で担当しております。

なお、不正防止の取り組みについては、平成30年6月から一般競争入札参加資格確認申請書等を所属に直接持参することを禁止し、原則として電子入札システムにより提出するなどの対策を講じているところです。

次に地域特有貢献の有無の配点を見直すべきとのご質問ですが、建設工事における総合評価方式では、価格や技術力の他、地域での施工実績や地域貢献度など、企業の信頼性、社会性なども併せて評価しております。

特に、地域美化活動等のボランティアを行った企業や障害者、女性を雇用する企業などを、地域特有貢献として評価する他、災害応急対策に関する業務協定を県と締結する企業や、過去2年間に災害復旧活動を行った企業、県産品を活用した企業などについても、その地域貢献度を幅広く評価しているところです。

配点の見直しについては、社会情勢の変化や各種法令の改正などに応じて、学識経験者などの意見を取り入れながら検討することとしており、今後も企業が行う地域貢献活動を適切に評価するよう努めてまいります。

須永

それでは要望と再質問させていただきます。
入札制度ですが答弁の中でですね、地域の安全安心の担い手としての中小企業の育成を、というような言葉がありましたが、制限付一般競争入札を使えば、例えば本社が君津市内にあることとか、あるいは本社が君津土木事務所管内にあることとか、そういうふうな制限をつけて地元企業の育成をする発注も可能なんです。
地方自治法では、あくまでも指名競争入札は例外規定です。

そこで再度質問いたします。
皆さん方が守るべきは、透明性や公平性、ひいてはその原資となっている県民の税金なのか。それとも、現在指名競争入札に参加している方々の既得権益なのか、どちらを守ろうとしているのか、お答えください。

次、入札の専門部署で行うということに関しては要望としておきます。
これは職員にとっても非常に働きやすくなることです。100人の職員がいたとして、100人を極めて高いコンプライアンスを維持することは、理想ですが非常に難しいと思います。
であれば、極めて高いコンプライアンスを持つ10人を集めて、秘匿性の高い事務などを行う方が現実的だと思います。
ぜひ不当な要求なんかにも屈しないようにするためにも、この専門部署での入札ということを今後も検討していただきたいと、これは要望としておきます。

次に、総合評価方式ですが、総合評価方針に関して、千葉県では障害者雇用促進法に基づいて、障害のある方の雇用の促進かつ活躍しやすい環境整備等に向けて対応しているはずです。政策の一貫性を考えれば、障害者の雇用を進めるためにも、配点を増やすべきだと考えます。
なので再度聞きますが、政策の一貫性ということを考えて地域特有貢献の有無の配点を複数点にすることで、足し算がちゃんとされるような配点にしていただきたいと再度お聞きしますのでお答えください。

答弁

まず、入札制度に関するご質問ですが、入札においては、公共工事が県民の貴重な税金を原資として行うものであることを踏まえ、競争性、透明性、公平性を担保することが重要だと認識しております。
県の指名競争入札においても、公表している指名の選定基準に従い、適切に指名すること、入札実施後に指名業者名および指名選定理由を公表することなどにより、競争性透明性、公平性の担保に確保に努めております。

次に障害者や女性の雇用を進めるためにも、配点を増やすべきではないかとのご質問ですが、障害の有無や性別に関わらず誰もが社会に参画することは自由であると認識しております。

企業に障害者や女性の雇用があった場合、共生社会の実現や、多様な人材の活躍に寄与する観点から、地域特有貢献として、1点を配点しているところです。また、別の評価項目で、現場代理人、主任技術者等に女性の技術者を配置した場合、さらに1点加点することとしております。

須永

私は今の千葉県の入札制度は改善しなければならないと考えています。しかし、答弁を聞いていると見解に少し相違があるように思います。
今の指名競争入札の範囲というのは、これは全国的に見れば恥ずかしいことです。
なぜ改善しなければいけないかという点について一例を挙げます。今回議案になっている議案7号これは予定価格が事前非公表の案件ですが、落札率は99.5%です。
そして、この事業者が3月に落札した案件。これもやはり予定価格は事前非公表です。入札時点ではわからないはずの数字です。この落札率が99.7%です。
偶然が2度あったかもしれません。
しかしさらに、この事業者が9月にJVを組んで落札した案件。これもやはり予定価格事前非公表ですが、落札率は99.8%です。しかも、この落札率が高いのは1社入札のときです。入札の公募に対し何社応札があるかは予定価格同様に非公表です。必ず非公表にしなければいけない情報です。

価格の競争にならない1社入札のときに落札率が高いというのは、非常に疑念を持ちます。予定価格が事前非公表の入札へ1年間に落札率99.5%以上が3件。偶然で説明できるでしょうか?
もしこの議会が一問一答方式で、質問回数に制限がなければ、これはつんでる質問です。
どうか、早急な改善を求めて私の質問を終わります。ありがとうございました。

以上が質問と答弁です。

媚びず、怯まず、謙虚に、初心を忘れることなく活動していきます。

活動報告会のお知らせ

7月29日(土曜)13時~ 小糸公民館 講義室
              君津市糠田55

7月30日(日曜)10時~ 生涯学習交流センター 会議室202
              君津市久保2-13-2

7月30日(日曜)14時~ 上総地域交流センター 会議室2
              君津市久留里市場192-5

8月 6日(日曜)15時~ 清和公民館 ホール
              君津市西粟倉57

お気軽にお越しください!