前回のブログの続きです。
令和2年度入札結果一覧で大きく変ったことは・・・
令和元年度から令和2年度で、予定価格が非公表から公表に変わった案件があることです。
公共事業の予定価格は、事前公表・事後公表・非公表があります。
非公表というのは入札が終わった後も公表しないというもので主に物品や一部の業務委託に使われます。
非公表にする理由としては、物品調達等では、同一同種の物品や業務を毎年継続・反復して発注する案件が多くあるため、予定価格を公表すると原価や次年度の予定価格がかなり正確に予想できるので、値段のたたき合いになりダンピング(採算度外視の安売り)が行われてしまうからです。
定期性、定例性があり、一定の基準に沿って毎年同程度の内容で発注されるような業務の場合、ダンピングにより適正な価格競争が阻害されるおそれがあるため予定価格を非公表とすることができます。
ただし非公表にできるのはあくまで定期性、定例性がある場合で、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」により、公共工事の入札及び契約の過程に関する事項の公表を義務付けられています。
同法に基づく「公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針」において、予定価格及びその積算内訳については、事後の契約において予定価格を類推させるおそれがないと認められる場合等においては公表するものとされています。
長々と書きましたが、例えば、
令和元年の「上総地区小学校統合施設整備事業実施設計業務委託」は予定価格非公表です。契約金額は38,496,600円。
予定価格が非公表という事は落札率もわからないし最低制限価格もわからない。
チェックのしようがありません。
この業務のどこに定期性・定例性があるのでしょうか。
令和2年度から公表に変えたことは評価しています。
しかし3800万円を超える公共事業の予定価格が非公表であったことは大問題です。
他にも設計業務委託など多くの業務委託関係が今まで非公表でした。
土木や建設など工事関係の一般競争入札に参加している業者さんからすれば驚きでしょう。
ちなみに森友問題は一人の地元市議さんが国有地の売却価格を非開示としたことを裁判所に訴えたことから始まりました。
もし私がこれらの定期性・定例性の公共事業の予定価格が非公表であることを法廷に訴え、その結果予定価格が公表されたらどうなるのでしょう。
非公表のはずの金額とピッタリで落札している事業者さんがいるかもしれません。
さらに調べていくと、これら非公表の業務委託の多くは指名競争入札で行われていることがわかってきました。
これがまた実に興味深い。
つづく
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