12月議会では決算審査特別委員会の委員長報告に対する討論を行いました。
決算認定について認定すべききものとした上で、一点意見を述べました。
それは工事の繰り越しについてです。
繰り越しには繰り越し明許と事故繰り越しがあります。
特に、議会の議決が必要な繰り越し明許と違い、事後報告のみの事故繰り越しは不測の事態ややむを得ない場合に限ることが財政法42条で定められています。
令和5年度千葉県一般会計歳入歳出決算説明書、第6分冊農林水産部の決算書17ページには農林水産部耕地課の令和5年度工事関係執行状況調べが載っています。
資料を議場配布してこの繰り越しを一例に県の事務処理について指摘しました。
この事故繰り越しの理由は「ロードスタビライザーという機会が確保できなかった」という事ですが、2つの点で疑問があります。
一つ目は、繰り越し明許ではないという点です。
機械の手配は工期終了間際に行うものではないはずです。
前もって手配するものですので繰り越し明許で対応できたはずです。
なぜ議会の議決を経ない事故繰り越しで処理したのか疑問が残ります。
二つ目は、理由とペナルティです。
配布資料に記載のある事故繰り越しの理由は変更理由書に記載されていたものです。
この理由は天候や自然災害でもありませんし、行政のせいでもありません。
「特殊な機械」と書いてありますがロードスタビライザの確保は事業者の責務であり、やむを得ない理由と言えるのかどうか疑問です。
仮に事業者側の理由による工期の延長であれば、指名停止や遅延損害金などペナルティの対象となります。
例えば、千葉市では令和3年に正当な理由なく工期を遅延した事業者を指名停止としています。
工期の遅延は契約違反に当たるため他自治体も当然に同様の対応をとっています。
一方、千葉県では過去10年間数千件の公共工事をさかのぼっても正当な理由なく工期を遅延した事業者を指名停止にした例はありません。
県の規模で10年間に事業者都合の工期の延長が一件もなかったとは考えづらく、ルールが厳格に運用されているのか、元請け企業に甘いのではないかという疑問が残ります。
多くの企業は工期に間に合わせられるように必死に努力しています。
それを、事業者側の都合であったとしても何のペナルティもなく、議会承認のいらない事故繰り越しで処理できるとなれば、まじめに工期を守る事業者が損をします。
当然のことですが、公平で厳格なルール運用が必要だと思います。
以前のブログでも書いたように、千葉県の入札では元請け実績のある企業しか参加できません。
元請け企業に指名停止などのペナルティを科すと受注できる企業が減ってしまうという事が、甘い判断につながっているのではないでしょうか。
やはり下請け実績も評価し、下請け企業にも入札に参加するチャンスを与えるよう改正すべきだと思います。
討論動画は県議会ホームページから見ることができます 千葉県議会 本会議録画検索
10月25日のブログ 下請けという身分制度