来庁せず行政手続きができれば、行政施設の“立地性”の価値は低下する 千葉県国土利用計画地方審議会について その2

令和6年3月の千葉県国土利用計画地方審議会はさらに突っ込んだ意見を述べさせていただきました。このテーマは君津市議会のころから何度となく質問し力を入れてきた分野なので結構長くなりました。

要約すると、

1、県有地の有効活用と行政資産の再配置

現在議論されている「低・未利用地の活用」に加え、今後のライフスタイル変化(非対面型行政の常態化)を前提にした土地活用が重要。

スマホネイティブ世代の台頭により来庁しなくてもほとんどの行政手続きができるようになり、行政施設の“立地性”の価値は相対的に低下。

好立地の県有地については、収益性・民間利用の可能性を最大限に考慮すべきで、年間数億円規模の収入や固定資産税収を見込める。

→ 【提言】高資産価値県有地の再配置・民間活用の積極推進。行政機関の立地適正化を検討すべき。

2、水源かん養林の保全と房総の景観形成

房総の谷津田・丘陵は「日本の重要湿地500」「ラムサール条約潜在候補地」に選定されている環境的にも貴重な地域。

半島という地理的特性上、水源が限定されやすく、水源涵養機能が地域の存続に直結。単に景観の保存ではなく、機能的保全(かん養林の保持)を政策に位置づけるべき。

→ 【提言】房総地域の谷津や丘陵を「水源かん養林」として重点保全。景観と生活基盤の両立を明確化。

3、農地転用制度の運用と実態の乖離

資料中の「適正な運用」と「再生困難な農地の転換推進」が矛盾して見える。

「面積を守る」視点なのか「生産量を守る」視点なのか、制度の目的が明確でない。

技術進歩により生産性が向上している現代では、柔軟な転用許可の方が耕作放棄地を防げる可能性。

→ 【提言】農地転用許可制度は、「生産性の確保」と「地域活性」を軸に、柔軟で実情に即した運用へ見直しを。

以上が要旨です。全文は議事録から読むことができます。令和5年度開催結果|千葉県国土利用計画地方審議会/千葉県