小規模農家にせまる自己責任論

最近心配なことが一つ。個人事業として小規模に農家をしている人も経営者であり、経営者としてすべて自己責任で営農すべきだ、というような流れがあるように思えます。

インボイス制度で1000万以下の小規模農家は課税対象となりました。この制度のめんどくささなどから農協特例を使い農協に出荷する人も増えると思います。

数年前に種子法が改正され自家採種ができなくなったので、農協出荷するためには種もみを農協から購入しなければなりません。

種子法の改正からインボイス制度導入の流れで小規模農家の経営はかなり苦しくなります。

さらに収入保険制度です。国と県は収入保険制度を推進しています。収入保険制度の加入率を上げることで、被災などで収入が減った時のために自分で備えてくださいという事です。

また、千葉県農業用生産資材価格高騰緊急支援事業として、千葉県では農業用生産資材の価格高騰の影響を受ける農業者の皆様に給付金を交付しています。

申請期間は令和5年12月15日(金曜日)までですが、この制度も収入保険も原則青色申告者を対象としています。

原則青色申告、来年から青色にする人も申請可能

千葉県内の農家戸数の約半分弱は白色申告ですのでこれらの制度を使うためには青色申告にする必要を迫られます。

農業者には高齢者が多く、書類が苦手な方も多いです。青色申告の相談や書類作成などに手厚く対応する窓口を設ける必要があると思います。

自家採種を禁止しインボイスを導入、青色申告を補助条件化し収入保険加入者を増やす、これらの方向性に「どんぶり勘定」と言われた農業経営をきっちりと管理し、災害時も自己責任のもと対応してもらおうという考えが見えます。

その考えも一理ありますが、農業は多面的な役割を持っています。治水、治山、生活環境維持などに深く役立っていることを忘れてはいけません。普段通っている「抜け道」も農道であり農業者が維持管理している、なんてことも多いです。

これからも小規模農家が置き去りにされないような農業政策を提案していきます。