鴨川のメガソーラーについて、事業者は6月10日に林地開発行為施行状況報告書を提出しています。
この書類内では5月14日から16日にかけて作業したとする写真が添付されています。
盛土規制法の施行日は5月26日ですので、盛土規制法施行前に着工したようにも思えます。
しかし、行政実務での「着工」の定義は本体工事が始まった時です。
これは建築基準法や金属スクラップヤード条例など他法令でも同じで、囲いや搬入路の設置は本体工事にはなりません。住宅着工統計の「着工」も本体工事です。
盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)は、熱海土石流災害の教訓から、「宅地造成だけでなく、すべての盛土を規制対象にする」ために制定されました。
規制逃れを防ぐことが立法趣旨の一つであるため、仮設道路や搬入路の整備だけで“着工”と解釈するのは立法趣旨に反すると考えられます。
これらを念頭に事業者が提出した林地開発行為施行状況報告書を精査してみると、添付された写真の工種には、伐採工・重機走路設置などとなってます。
さらに、写真に写る黒板には「西側アクセス道路」と書かれています。
事業者自身の報告書が「西側アクセス道路」という搬入路整備であることを報告しており本体工事ではないことを示しています。
まとめると、
・搬入路設置の工事は準備行為にすぎず、「着工」ではない。
・パネル設置のための造成工事を行っていない以上、盛土規制法施行日前の着工とは言えない。
・盛土規制法施行日前に本体工事が行われていない案件については、盛土規制法の適用を受けるべきであり、規制区域内なので許可を得る必要がある。
規制の趣旨は危険な盛土を防ぐことにあるため「着工」の解釈を広げて規制逃れを許してはなりません。
また、
事業者は千葉県農林水産部から計画を見直すよう通知を受けていますが見直さず工事を始めています。
千葉県は工事の停止命令を出すべきです。