県議会代表質問で、防災対策について2点質問しました。
今回は、①避難所の運営、②孤立集落対策と道路の安全確保についてです。
避難所運営と空調の課題
千葉県の指定避難所は、令和7年11月1日時点で2,318か所あり、そのうち135か所が県有施設です。しかし、この県有施設のうち、冷房が完備されているのは21か所、暖房は17か所にとどまっています。
避難所となる学校体育館については、今後段階的に空調整備を進める方針ですが、設計から使用開始まで最短でも令和9年度となる見込みです。一方、教室等については、既に空調が整備されている学校も多くあります。
そこで、体育館に空調がない場合でも、教室を活用するなど柔軟な避難所運営を行うべきではないかと県の考えを伺いました。
県の答弁では、避難所では生活環境の悪化による災害関連死を防ぐことが重要であり、特に近年の猛暑を踏まえると空調整備は不可欠との認識が示されました。その上で、体育館に空調がない場合には、温度調整が可能な空き教室などを活用するよう、市町村に通知等で促しているとのことです。
実際に、本年7月の津波警報時には、多くの学校で空調のある教室を避難者の滞在場所として活用したとの答弁もありました。今後も、教育活動との両立を図りながら、状況に応じた柔軟な避難所運営に努めるとしています。
孤立集落対策と道路法面の安全確保
次に、令和6年の能登半島地震を受けた対応について確認しました。
千葉県では、農業集落の約6割、漁業集落の約4割が「孤立の可能性あり」と判定されており、半島性・山間部という地理的特性からも対策が急務です。
県は、孤立集落対策緊急支援補助事業と、緊急輸送道路における道路法面90か所の緊急点検を実施しています。答弁によると、今年10月末時点で、延べ414集落において水・食料の備蓄強化や擁壁設置などが進められています。
また、法面緊急点検では、崩壊時に迂回が困難となる90か所を対象に点検を行い、今年度は約60か所で対策工事に向けた測量等を実施中とのことです。
10月には知事自ら富津市・君津市を視察し、住民の声を直接聞いた上で、今後もソフト・ハード両面から防災対策を強化していくとの答弁がありました。
私の意見として、
避難所運営については、7月に実際に教室を活用した対応は評価できると考えています。引き続き、現場の状況に応じた柔軟な運用をお願いしました。
また、孤立集落対策と道路法面対策については、山間部が多く難工事も予想されますが、まず60か所で測量に着手した点を評価しつつ、着実な対応の継続を要望しました。
災害はいつ起きるか分かりません。
避難所の環境改善と、孤立を生まない備えを両輪として、防災対策の実効性を高めていく必要があります。今後も質問では防災を取り上げていきたいと思います。
