まず、そもそも法律において議員が役員を務める法人の請負は禁止されています。
地方自治法という法律では、議員が当該自治体に対して請負をすること、又はこれらの者が役員等を務める法人が当該自治体に対して請負をすることを禁止しています(92条の2、142条等)
この法律で決められていること以上に、政治倫理条例を作り請負等に一定の抑制をしていこうというのが全国的な傾向です。
具体的には、議員等の一定の親族が役員をしている企業や、議員等が実質的に経営に携わる企業が、当該自治体との請負契約を締結することを辞退するように努めることを規定しています。
また、議会によっては、指定管理者になることを禁止するものもあります。埼玉県上尾市は1親等以内、広島県府中市は2親等以内など制限の幅は議会により様々です。
広島県府中市の政治倫理条例をめぐっては違憲(職業選択の自由等)だとして裁判で争われましたが、最高裁は違憲ではないとの判断をしています。
注目すべきはその判決の内容です。
最高裁は判決の中で、議員が実質的に経営する企業であるのにその経営者を名目上2親等以内の親族とするなどして地方自治法92条の2の規制の潜脱が行われるおそれや当該親族が経営する企業に特別の便宜を図るなどして議員の職務執行の公正が害されるおそれがあること、を指摘しています。
つまり、法人の役員を親族にして法律の規制の潜脱=脱法的な行為をするおそれがある。そしてその企業に便宜を図るおそれがある。と明言しています。
このような行為をする議員がいなければ法律以上の規制など必要ないのですが、実際にそういった事例があるために政治倫理条例による規制が必要となっています。
一般社団法人 地方自治研究機構のホームページに詳細が掲載されています。政治倫理条例 | 法制執務支援 | 条例の動き | RILG 一般財団法人 地方自治研究機構
議員は自分に厳しくあるべきです。千葉県議会でも政治倫理条例を制定をすべきです。