鳥獣被害と農業振興についての質問と答弁

一般質問で有害鳥獣被害と農業振興について質問をしました。

・有害鳥獣捕獲は広域で考えるべき事なので市町村ごとの報奨金を統一すべき

という点においては議場配布した資料に他の議員さんも驚いていたので今後動くかもしれません。

・規模拡大等を条件としない、営農継続のための機械購入への補助制度を創設してほしい。

という点についても先進地事例をあげて要望しましたがあまり前向きではありませんでした。今後も継続して質問をしていきたいと思います。

市町村ごとの報奨金 議場配布資料

以下に質問と答弁を掲載します。わかりやすいように一問一答形式に並べ替えてあるので正式な議事録ではありません。

須永

 次に、農業問題について伺います。令和3年度の有害鳥獣による農作物被害金額は約3億円であり、農業経営に大きな打撃を与えています。

耕作を諦めれば被害金額は減りますが、耕作放棄地の増加によるさらなる有害鳥獣の増加に繋がります。君津市では、小学校の敷地内にある子供たちの畑がイノシシに荒らされ、イノシシが出た際の避難訓練をするほどの状況です。

以前から県内では鳥獣被害がひどかったですが、最近では県内全域に広がりつつあると感じます。有害鳥獣には広域での対策が必要だと考えますが現状の取り組みと今後の方針はどうか伺います。

 令和4年の農林漁業者の自殺者が395人おり、前年を97人上回ったことが、厚生労働省のまとめでわかりました。原因動機別で、経済生活問題が139人と3割以上を占め、資材高騰などによる経営環境悪化も背景にあると推察できます。酪農畜産の状況を調査している農業団体は、厳しい状況はわかるが誤った選択をしないでほしいと呼び掛けています。

飼料を外国産に依存してきた畜産農家には特に厳しい経営状況にあります。状況を改善するためには国産の飼料を安く安定して供給できることが理想的です。県では、安定した飼料の確保に向けどのように取り組んでいくのか伺います。

 新規就農や担い手不足のために様々な予算が組まれていますが、今営農している人が離農しないことにもっと予算をつけるべきだと考えます。離農が済めば、治水や治山などの農地が持つ多面的な機能が失われます。農道や県道の草刈りも、隣接する農地の耕作者が行っているところは山ほどあります。

営農継続してもらうことこそが行政コストの削減にも繋がりますが、ホールクロップサイレージの機械導入や水稲の機械導入も補助は基本一度きりであり、機械が壊れても買い換えられず、離農する人が多いと聞きます。

滋賀県長浜市の小規模農家営農継続支援事業や、群馬県前橋のがんばる高齢農家営農継続支援事業など、規模拡大等を条件としない補助事業を始めている自治体もあります。そこで、水田営農の現状維持のための機械導入にも、補助する制度が必要と考えますが、見解を伺います。

答弁

 広域での有害鳥獣対策に関するご質問ですが、鳥獣が広く移動し生息域を広げることから、県と市町村が連携して捕獲を実施することが重要であり、捕獲の中心となる生育密度の高い地域は、実情に詳しい市町村が捕獲を行い、県では生息域の拡大防止の観点から、分布外縁部等での捕獲を行っているところです。

また市町村に対し、捕獲数に応じた補助金等の交付やわなの購入経費等に対する助成の他、捕獲従事者を対象とした捕獲技術に関する研修等を実施し、捕獲体制の強化を支援しています。今後も市町村や関係団体等との広域的な連携を図りながら、捕獲の強化に向けて取り組んでまいります。

 畜産飼料の安定確保についてのご質問ですが昨今の輸入飼料の価格高騰により、畜産農家は厳しい経営状況に置かれており、畜産業の持続的な発展のためには、社会情勢の変化にも対応できる経営を確立することが重要と考えています。

このため県では飼料生産に取り組む集団を対象に、生産面積の拡大に必要な機械の導入を支援することとしており、今年度は6地区合わせて約165ヘクタールの面積拡大が見込まれております。また収穫後の水田の有効活用による畜産飼料の生産拡大の取り組みを促すなど、引き続き畜産飼料の安定確保に取り組んでまいります。

 水田営農における機械更新への補助に関するご質問ですが、稲作農家が減少する中、地域の水田を維持するためには、将来の農地利用の担い手を明確にする地域計画に基づき、農地を集積集約化し、効率的な稲作経営を実現することが重要だと考えています。

そのため県では、農地の集積やコスト低減を図る担い手農家に対して、コンバイン等の機械や乾燥調製施設などの導入を支援しているところです。また、水田の更なる集約化や、区画拡大による耕作条件の改善を図るとともに、作業が大幅に省力化できる自動走行農機等、スマート技術の導入を進めるなど、担い手農家の生産性向上を支援してまいります。

須永

 鳥獣被害の部分ですが、議場配付したと思うのですが、各市によって報奨金がかなり違います。これは、報奨金の少ない場所が繁殖場所となっているだけなんです。私も自分でも捕獲をしていますが、あまりにも報奨金がバラバラですと横流しのようなことも起こり得るのです。

ぜひ、県の指導のもとある程度でも構いませんから、市町村ごとの報奨金を揃えていただきたいというふうにこれは要望をしておきます。それと、水稲の部分ですね、これは水田営農だけにかからないんですけど、結局、新規就農とか、そういったことを一生懸命応援しても、3割以上の方が辞めていくというデータがありますよね。そうするとまずは離農することを防ぐ方が早いんです。

何が離農のきっかけとなるかといったら体が壊れるか機械が壊れるかなんです。機械が壊れた場合に今は、規模拡大が条件だったり、効率化が条件だったりするんですけど、これをとりあえず営農継続をするだけでも、機械の購入補助が出るような、そういった制度も検討してほしいと、これは要望をしておきます。

以上が6月29日に行われた須永の一般質問での有害鳥獣対策と農業振興に関する部分です。時間が足りず言えなかった部分もあるので今後も引き続き質問で取り上げていきたいと思います。

千葉県議会 本会議録画中継 (chiba.lg.jp)