レンタカーとアパート、貸す側の責任は?

下の図は阪神淡路大震災の年代別死者数です。

20~24歳の死者が多いのがわかります。
神戸には学生が多く、彼らの多くが住んでいた木造アパートが倒壊したせいです。

レンタカーであれば通常の車の4倍近い点検項目をクリアして安全性を認められないと貸しだせません。
しかしアパートは1981年以前(新耐震基準前)の耐震性の低いアパートでもそれを貸し出すことが出来てしまいます。
つまり、瑕疵のある物で営業できるという事です。
これは完全に国の落ち度だと思います。

例えば、
5年間限定で1981年以前に建てられた木造アパートに対し、耐震改修・建て替えする場合には補助金を出す。
同時に、5年後からは耐震性能のない木造アパートでの賃貸営業を禁止する。
というような政策誘導をすれば多くの若者の命を救えます。

これを先日の議会一般質問でも訴えました。
議会一般質問の動画はこちらから見ることが出来ます。

国会議員は政争の話ばかりですが…もっとこういった目の前の具体的な問題点を改善してほしいです。

裁判例でも・・・以下抜粋↓
阪神・淡路大震災において賃貸マンションが被災・倒壊し、1階に居住していた入居者4名が死亡、遺族がオーナーと仲介業者に3億334万円の連帯支払いを求めた事案が発生しました。(神戸地裁平成11年9月20日判決)

オーナーの主張としては、
「建築基準法は本件建物が建築された後の昭和56年に改正されたが既存の建物については既存不適格建物として、適法な建物として存続することが認められている。したがって、本件建物の設置保存について瑕疵があったとは言えない。」というもの。
一方原告側の遺族らの主張は「建築時である昭和39年の建築基準法令の定める技術的基準に適合せず・・・その設置に瑕疵があったことは明らかである。」というもの。

これらの主張に対し裁判所は、
「建物は、安全性を有していなかったものと推測することができる。したがって建物には瑕疵があったというべきである」、「地震の損害発生への寄与度は、認定判断にかかる建物の設置の瑕疵の内容・程度および本件地震の規模・被害状況等からすると、5割と認めるのが相当である。」と判断し、民法717条(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)により、オーナーは遺族に請求額の5割を支払うことになりました。

抜粋終わり。
次の震災時に一人でも犠牲者を少なくするために、政策誘導での木造アパート耐震化が必要です。

※10月4日(水)君津市生涯学習交流センター102室にて議会報告会やりまーす!
18:30~、途中入退室かまいません。お気軽に来てください。