当初から君津市が反対し、君津市議会も反対し、幾度となく反対の意見書等を千葉県に出し続けている市内の産業廃棄物最終処分場の問題、ついに8月6日付で増設の許可を県が出してしまいました。
平成の名水100選にも選ばれた「久留里の生きた水」を商品化しようとしている矢先のことで残念でなりません。
この処分場の現状の事業区域が20.5㏊(ヘクタール)、増設するのが40.2㏊、合計の事業区域面積は60.7㏊という広大な処分場になります。
今回は50%以上の増設だったので環境アセス等の事務手続きが複雑でしたが、今後50%以下(30.3㏊以下)の増設であれば手続きが簡略になるため、乱開発が心配されます。
今までのブログ記事でも書きましたが、この処分場は明らかに立地不適正です。
水源地であること、多雨地帯であること等を考慮すれば当然のことです。
県も「漏れれば地下水が汚染される」ことは認めています。
それでいながら許可をするのは事業者側に寄った非常におかしな判断だと思います。
平成8年に君津市廃棄物処理施設整備審議会で最終処分場の候補地について審議がされました。
これは京都大学工学部教授や早稲田大学理工学部教授、玉川大学工学部教授など専門家による審議会です。
この審議会の答申書では、最終処分場に最も適している立地は小糸川下流の沖積低地であると結論付けています。
大昔から何百年、何千年と自然災害とともに生きてきた「先人の教え」というものは重く受け止めるべきだと思います。
人間の生活していく中で出たごみは、河口や海に捨てられてきました。
山の中、まして水源地の谷になった場所にゴミを埋めるような事はしていません。
「先人の教え」に反する行為がどんな結果をもたらすのか…。
今後、反対運動は千葉県知事に対し「最終処分場の設置許可処分取り消し行政訴訟」など法廷に場を移すことも考えられます。
市長名で反対の意見書を出し、市として反対してきた君津市。
新市長を目指す方に、「君津市が原告となって戦う覚悟はあるか?」と問いたい。
市長選挙の新たな争点となるかもしれません。