在宅での老後が危うくなる訪問介護報酬のマイナス改定

令和6年度に改定された介護報酬において、訪問介護の基本報酬がマイナス改定となりました。

これは処遇改善加算という「率」を数%上げたことで見せかけは報酬を手厚くしたようにしていますが、基本報酬「額」をマイナス改定したことで実質的に減額しているのです。

国はこの理由に「経営実態調査の結果により訪問介護事業は大幅な黒字」とみなしていますが、黒字なのはサービス付き高齢者住宅等を展開している一部の事業者で、多くの小規模訪問介護事業者は赤字なのが実態です。
これは訪問介護事業所の倒産件数が過去最多となったデータが示しています。

自分たちに不都合なデータには目をつぶり、訪問介護報酬をマイナス改定するとはひどすぎます。

訪問介護がなくなれば老後を自宅で過ごすという選択肢ができなくなります。
家族の負担が増え、在宅介護が難しくなります。

この国の方針の裏には何があるのでしょうか。

公共交通サービスなども含め財政面だけ考えれば、高齢者を施設に集めたほうが国の財源は抑えられるかもしれません。しかし、住み慣れた家、築いてきた人間関係のなかで訪問介護を活用しながら住み続けるという選択肢もあるはずです。

訪問介護で働く方々と高齢者に対するリスペクトはどこへ行ったのか、国の訪問介護報酬マイナス改定は理解できません。

私も提出者として3月の県議会で「発議案 第 14 号 訪問介護基本報酬の引き下げをただちに撤回することを求める意見書」を提出いたしました。

自民党が過半数の県議会では否決されてしまいましたが引き続き行動していきます。

「訪問介護の基本報酬引き下げは加算では補えない」事業者が試算 – ケアニュース by シルバー産業新聞|介護保険やシルバー市場の動向・展望など幅広い情報の専門新聞 (care-news.jp)

神奈川のケアマネが東京に大移動する理由、訪問介護を「狙い撃ち」のマイナス報酬改定に業界大激怒! | 有料記事限定公開 | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)