「命さえあれば経済はあとから」は本当か。

毎日のようにニュース・情報番組でコメンテーターの方が様々な発言をしています。
様々な立場の人がいて多様な意見が出ることは当たり前であり、良いことだと思います。

ちょっと気になったのは「命さえあれば経済はあとから」というコメントです。
主に外出自粛や営業自粛を厳しくすべきという意見の中に出てきます。
この考え方もわかりますが全てではないと思います。

人は病気でも死にますがお金がなくても死にます。
貧乏で食べるものが無くて…という事でなく、借金を返せなくて死んでしまうのです。
上手く言えませんが私は、「人はまじめさで死ぬ」事もあると思っています。

多くの人がカードローンの返済や事業の借入金、住宅ローンなど何らかの形でお金を借りています。
そして毎月返済しています。
この返済ができなくなった時、「借りたものを返せなくなった」という自己責任追及と将来への絶望が死を選択させることがあります。
親族に迷惑をかけるわけにはいけないと考えたり、自己破産しちゃえばいいやと開き直れない、まじめな人ほどその傾向にあると思います。

下のグラフは厚生労働省の資料にあった景気動向指数(オレンジ)と男性の自殺者数(青)のグラフです。
景気動向指数の増減と「経済・生活問題」による 男性の自殺者数の増減には、負の相関の関係 があるということがわかります。

これでも「命さえあれば経済はあとから」と言えるでしょうか。

平成27年のデータになりますが、自殺の動機として経済・生活問題は健康問題に次いで全体の二番目に多い動機です。
年間4000人以上が亡くなっており、決して少なくありません。

コロナ倒産の次に来るものは「コロナ自殺」です。
経済施策も同時にやっていかなければいけません。