3月末となり今年度もあと数日で終わります。
この年度末~4月頭までの間に議員としてやっておくべき仕事があります。
それが完了予定工事の現場確認です。
議員の仕事には
・市民の要望を市に伝えたり、政策提言すること
と
・行政のチェック機関として監査的役割をすること
がありますが、この行政のチェックという仕事は労力がかかる上に市民には評価されづらいためやる議員が少なくなっています。
「市民の声を行政に届けます!」と言えば聞こえはいいですが、それは自治会長の延長線上の仕事です。
二元代表制の地方議会としては行政監査は極めて重要な役割です。
しかし、ある意味嫌われ役となることが多く、また知識も必要なためこのままでは誰もやらなくなるのではないかと心配です。
そこで、僭越ながら私のやり方をブログで書いておくことにしました。
新年度予算が編成された時点で今年度中に完了予定の工事が決定します。
完了予定工事は3月末日までに工事が終わり、支払いが行われます。
ここで、「工事が完了してないけどあと少しで終わるから資金繰りも苦しいので支払いをしてもらいたい」という事業者が出てくる場合があります。
当然そんなことはできません。
もし支払ったのに完成せず倒産などしたら市民の税金を捨てるようなものですから、工事が完了してないのに支払うようなことはあってはならないことです。
本来なら「事故繰り越し」をして次年度に繰り越さなければなりません。
しかし、行政側にとっても事故繰り越し処理がめんどくさい、あるいは事業者が政治的圧力をつかって支払を求めてきたりして、工事が終わってないのに支払をする場合があります。
これをチェックするために現場に行って状況を見て、写真を撮っておく必要があります。
その後、、工事の「検査調書」を調べます。
おそらく検査調書を見たことがないという議員さんも多いと思います。
検査調書には完成日、出来高歩合、検査実施日などが記載されています。
つまり、行政が事業者からの「終わってないけど支払ってほしい」という要求をのんだ場合には、現場写真と検査調書に矛盾が生じてくるのです。
これは検査調書(=公文書)偽造という罪でもあります。
この矛盾がないか調べるのが議員の仕事です。
何もなければそれが一番いいですし、そういう議員がいるという事が抑止力になり、事業者も不当な要求をできなくなります。
私がこのチェックを始めたのも実例があったからです。
世の中には、評価はされないけど重要な仕事が結構あります。
これからも行政監査を続けていきたいと思います。