県発注工事の贈収賄事件 その1

北千葉道路建設事務所が発注する工事をめぐり、増収賄事件として所長が逮捕されました。県政をチェックする議会議員として県民の皆様に深くお詫びをいたします。

私は6月議会で県の入札制度は甘すぎる!と厳しく指摘しました。この職員はどんな思いで聞いていたのでしょうか?再発防止のためにも徹底的に調査し、膿を出し切る改革が必要だと考えます。

入札制度についての質問と答弁 | すなが和良アルパカ日記 (sunaga-kazuyoshi.com)

さて、今回の件について掘り下げていきたいと思います。

まず、北千葉道路建設事務所長を軸として考えた時に、情報を漏らした相手が1社だけだったのかという点です。

1月12日の朝日新聞では、調査基準価格の1万円超で落札していた、所長から情報入手か。と書かれています。

調査基準価格というのは予定価格をもとに算出しているので、予定価格事前非公表の入札においては事業者は知るわけがない価格となります。その知らないはずの価格に極めて近い価格で入札しているから、所長から情報入手したのではないか。という事です。

そこで贈賄側のT建設が参加した7月7日入札、国道道路改築工事(仮称下金山橋上部工)の改札調書を調べてみました。

調査基準価格は2億6127万円です。T建設の入札額は2億8500万円です。落札したのはMエンジニアリングで落札額は2億6127万円です。なんと調査基準価格と落札額がぴったり一緒です。

調査基準価格を下回った場合のみ調査がになるので同額はギリギリセーフなのです。

さらに7月20日入札、国道道路改築工事(馬場・道路改良工)の改札調書を見てみます。調査基準額1億6032万円に対し、1億6033万円の入札でM工業が落札しました。

調査基準額に近い金額での入札が情報漏れの証拠と考えるのであれば、同額のMエンジニアリングにも1万円だけ超えたM工業にも情報が漏れていたのではないかと考えるのが自然です。

さらに、9月14日入札の国道道路改築工事(山之作・地盤改良工)の改札調書を見てみましょう。

調査基準額は2億468万円、これに対し入札したのは6社。

なんと6社中4社の入札額が調査基準額と同じ2億468万円!情報漏れまくりか?という驚きの内容です。

所長が情報を漏らした相手がT建設だけなのかどうか、今後警察の捜査・第三者委員会の調査があると思います。

北千葉道路の開通を遅延できないあまり、入札の不成立を避ける→情報を漏らすという事にもつながります。予算を執行することより法を順守することの方がはるかに大事であると再認識する必要があります。

次回その2ではT建設側からの視点での調査を報告します。