君津市内にある産業廃棄物最終処分場ですが、第一期処分場内に内部保有水が溜まり土堰堤から滲出するという状態が続いています。一般質問、常任委員会で毎回取り上げてきましたが、先日改善計画書が県に提出されました。
そして13日から改善工事が始まりました。
今まで全く動きがなかったのがなぜここにきて急に動き出したのか?私は10月の常任委員会で改善命令発出を求める質問がカギになったのではないかと考えています。
昨年10月の環境生活警察常任委員会の議事録が公開されました。要約すると、
須永 君津市の産業廃棄物最終処分場に関してですが、現在も内部保有水が出ているのでしょうか、確認します。
説明者 現在ものり尻から内部保有水が流出していると考えております。
須永 行政指導ではなく、改善命令という行政処分に切り替えるべきではないか。
説明者 現在、法の違反状態ではないので、行政指導でもって改善を指導している。
須永 今、法の違反状態ではないという答弁でしたが、埋立地から内部保有水が出ている時点で法の違反状態だと思うんですが、埋立地から内部保有水が出ているのに違反ではないとする根拠の条文を教えてください。
説明者 保有水がしみ出ていますが、これは内部にとどまっておりまして、法律の根拠ということですが、最終処分場の技術上の基準とか、構造の基準とか、維持管理基準等において違反がないということです。
須永 内部にとどまってるというのはどういうことでしょうか。埋立地から出ているんですけど、既に出ているので内部にはとどまっていないと思います。
説明者 保有水につきましては、埋立地の遮水工を設置している土地の範囲の埋立地の内部、その中ににじみ出ており、その内部に設置された集水管等で補修しまして集水しまして、浸出水処理施設を経て放流されておりますので、外部への流出ということには当たりません。
須永 今、外部の流出には当たらないということですが、外部に流出したら違法ですというのがどこの条文に書いてあるんでしょうか。(←知ってて聞いてます)
説明者 細かい条文、かなりになっちゃいますけど、廃棄物処理法の構造基準や維持管理基準の条文、この関連が全て関連すると思われます。
須永 今のやり取りは私と執行部さんとの見解の違いのようですが、見解の違いではなくて明らかに意図的に見逃してると。あるいは妄想なのか、あるいは虚偽の答弁をしてると思います。
なぜなら、外部という言葉は、この産業廃棄物のいわゆる環境省令の技術上の基準を定める省令には出てきません。環境省令の技術上の基準を定める省令第1条の5項なんですけども、そこには「埋立地からの浸出を防止するため」とあります。埋立地からの浸出を防止するためなので、保有水等は埋立地からの浸出を防止するために遮水工をしなさいと書いてあるんです。つまり埋立地から、土堰堤からしみ出ている時点で明らかにこの省令に対して違反だと思うんですが、どうでしょうか。
というようなやり取りがありました。詳細は10月2日の環境生活警察常任委員会議事録をお読みください。
千葉県議会 会議録検索システム (gijiroku.com)
ここからはちょっと細かい話になります。
県が根拠とした「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令」には下記のように書いてあります。
埋立地(地下の全面に厚さが五メートル以上であり、かつ、透水係数が毎秒百ナノメートル(岩盤にあつては、ルジオン値が一)以下である地層又はこれと同等以上の遮水の効力を有する地層(以下「不透水性地層」という。)があるものを除く。以下イにおいて同じ。)には、一般廃棄物の投入のための開口部及びニに規定する保有水等集排水設備の部分を除き、一般廃棄物の保有水及び雨水等(以下「保有水等」という。)の埋立地からの浸出を防止するため、次の要件を備えた遮水工又はこれと同等以上の遮水の効力を有する遮水工を設けること。
私は法のプロではありませんが、この条文を何度読んでも、埋立地から漏れても事業地から漏れなければオッケーとは書いてないと思います。
さらに2月9日の民事訴訟を傍聴に行ったのですが、事業者側の弁護士さんも「漏洩はしているが流出はしていない」「土堰堤から漏洩していることは争わない」と言っていました。
条文と漏洩している現状を照らし合わせれば、明らかに違法状態であり、県は速やかな改善命令発出をすべきです。次に質問した時はおそらく、「すでに改善工事に着工しているので発出しない」と言いそうです。